私たちが手にする小さな財布やアクセサリー。そのずっと手前には、雪の季節を越える木々と、畑を守る人々、そして役目を終えたはずのりんごの一部があります。
毎年めぐる、りんごの時間。
春、青森の畑には白い花が咲きます。受粉を助け、枝を整え、小さな実を選びながら、農家の方々は秋の収穫まで長い時間をかけてりんごを育てます。私たちが見慣れた一つの実の向こうには、土地の気候と人の手が重なっています。
収穫されたりんごは、そのまま食べられるだけではありません。ジュースやお菓子など、さまざまな食品へ姿を変えます。その加工のあとに残る皮や芯、繊維を含んだ搾りかす。これまでは役目を終えたものとして扱われることもありました。

産地だから見える、加工後の風景。
りんごの産地には、生果だけでなく、ジュースやお菓子などの加工もあります。
その過程で残るものを、遠くから『廃棄物』と呼ぶだけでは、次の使い方は見つかりません。どこで生まれ、どんな状態にあり、どう運べるのか。
土地の近くで考えることで、素材化の具体が見えてきます。
地域と企業の間に、続く関係を。
RINGO-TEX®は、素材を仕入れて終わる関係ではなく、自治体、地域の事業者、つくり手、使う人をつなぐプロジェクトを目指しています。
選ぶことが、遠い風景とつながるように。
手に取ったものから畑を思い浮かべたり、素材の背景を誰かに話したりすること。
その小さな行為が、商品と地域の距離を近づけます。
青森を美化しすぎず、働く人と季節の具体を伝えることが、この素材を長く理解してもらうための土台になります。